ワイルド7 トリビュート

ワイルド7トリビュート第6弾 すぎむらしんいち版 見参!(「地獄のハイウェイ」)

昨日発売のヤングキング新年号で、すぎむらしんいちさんのトリビュート第6弾がお目見えした。

ロジャー・ゼラズニイのSF小説「地獄のハイウェイ」が下敷きになったストーリーで、その世界観にワイルドを乗せるのは面白い試みだと思う。僕は充分楽しめた。

復讐の女性戦士イサームというキャラクターは、すぎむら作品のキャラだそうだ。どうりで存在感があるわけだ。

飛葉が「優しさ」を見せるシーンがあるのだが、とても良かったと思う。これまでのトリビュートでは、飛葉の気の利いたセリフは無かったようなものだが、このシーンには「飛葉らしさ」が出ており、ファンとしてはとても嬉しかった。

「地獄のハイウェイ」の件だが、悪党のセリフの中に「地獄のハイウェイへようこそ」とあるし、荒涼とした無法のハイウェイを悪党がドライビングする特殊車輌が行き、道中で襲撃を受けてバトルになる....と言ったあたりがそれだ。オリジナルではペストの血清の運輸が任務だったが、今回はテロリストの細菌兵器を輸送していたようだ。

「地獄のハイウェイ」は、悪党が釈放を条件に国家的任務に就くという話だが、「超」が付くほど個人主義的な悪党が、危険だが社会的価値の高い任務とどう向き合って行くのか、逃げるのか、それとも生命の危険をおしてまで遂行するのか。そのあたりの心境の変化など、非常に読みごたえがあった。

悪党は生まれながらではなく、「環境」によってそうなる。孤独で誰からも期待されていないから個人主義者になる。結果、能力があってもそれが社会に正しく還元されず、犯罪に活かされてしまう。このような悪党に自己実現の場(任務)を与える話が「地獄のハイウェイ」であり「ワイルド7」だ。

荒涼とした無法のハイウェイは、悪党が生まれ育ったこれまでの「道」のメタファーと受けとめて良いだろう。

疑問もなく「義務」のために闘うエリートとは違い、個人主義者の悪党が「正義」の任務をこなすようになる。人との絆を取り戻していく。「成長」していく。そのプロセスが面白いし、読者の深い共感を生むのである。

今回、ヤングキング編集部よりメッセージがあり、このトリビュートプロジェクトはさらにパワーアップし、今後も進行していくそうだ。新年号から縁起が良い話で嬉しい。期待したい。

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トリビュート第4弾!! 神崎将臣編

ワイルド7の熱狂的なファンであり、ヤングキングの編集さんに自ら連絡を入れてトリビュート参戦を申し入れたという神崎将臣さんの登場だ。その意気や良し!

作品のオチは、「二代目ワイルド7」で、メンバーの「飛葉大陸」「ユキ」ら(外見ソックリ)の名はコードネームというもの。そう来たか!

...となると望月先生による外伝作品「ワイルド7外伝・優しい鷲」が思い浮かぶ。キング掲載時しか読んでいないので細部は覚えていないが、外見ソックリのメンバーを集める部分や、本作のラストで空港が舞台になるあたり「優しい鷲」に似ている部分があるようだ。

敵組織の名は「緑の狐」だが、これは「優しい鷲JJ」の「赤いキツネ」「緑のタヌキ」をもじったものだろう。「ワイルド7外伝・優しい鷲」はJJ連載開始の「前夜祭」的な位置づけだったので、今回のトリビュートは「外伝」と「JJ」を意識したものだったのかもしれない。なかなかマニアックだ!

「ワイルド」たちを見て悪人が叫ぶ「都市伝説のはずだ!!」は燃えゼリフだね。この辺も「外伝」を彷彿させる部分。「外伝」では、ワイルドの「幻影」を見たSS自衛隊の連中が腰を抜かして逃げ出すシーンがあったと思う。潜水艦基地や偽装原子力船をぶっ潰された、その記憶が秘熊一派のなかに強く残っていたのだろう。ワイルドのファンとしては、「無理もない!」と思ってしまう。

ここでふと頭をよぎったのが、司馬遼太郎「燃えよ剣」の最終局面。函館市街を単騎で進む土方は、長州兵士に誰何される。「名か」ふと考えた土方は「函館政府陸軍奉行」ではなく「新選組副長土方歳三」と答える。これを聞いた官軍は腰を抜かす。

すでに近代戦の時代になっていたが、「新選組」の名は伝説化していたんですなぁ...。いや〜燃えるシーンだ。そして、これは上記の「外伝」のシーンとイメージがピッタリ重なってしまう。またもワイルド7=新選組のイメージが...燃えるなぁ(笑)。

トリビュートに話題を戻そう。

今回の7人にもチャーシューがいないのである。「7+1のみっそかすユキ」で良いはずなのだが...。東本昌平版もそうだったし、「外伝」もそうだったしそういう流れなのだろうか。しかし、チャーシューはその実力や詳細はプロフィールなどが謎に包まれており、どうしても掘り下げて欲しいキャラクターなのだ。

掘り下げて欲しいのは主人公である飛葉もそう。望月作品の主人公の中で、飛葉ほど「自分語り」をしないキャラクターはいないと思う。飛葉の闘う動機は何なのか。悪への憎しみ、草波との信頼関係、恩義などが考えられるが、それらは明確に語られていない。最初にスカウトされた時、草波とどのような契りを交わしたのか。

飛葉はどんな犯罪を犯したのか。どんなワルだったのか。婉曲的にしか語られていない。飛葉の父親はどういう人物だったのか。飛葉の圧倒的な戦闘力、冷徹な判断力はどこでどのように身に付けられたものなのか。中学生時代に「外国で傭兵暮らし」レベルの経験があると思われるが、まったく説明がない。

意外かもしれないが、飛葉は謎の多い難解なキャラクターなのだ。だから、もっともっと掘り下げられるはず。トリビュートには、こういう未解明の部分に正面から切り込んで欲しいものだ。

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トリビュート第3弾!! 小林まこと編

書こう書こうと思っているうちに第4弾が本日発売。慌てて書きますwobbly

小林まことさんのトリビュート、個人的にはこの4作の中で最も楽しめた。
元より少ないページ数で、どう作品として成立させるかがポイントのひとつだが、小林さんは思い切ってストーリーを棄て、「全編予告編マンガ」という形態で応えてきた。さすがである。

「1・2の三四郎」のキャラクターをワイルド役で登場させ、小林さんが思う「ワイルド7名場面集」を「予告編」と称して演じさせる。小林ファンはクスッとなるし、ワイルド7ファンはニヤリとするし、ワイルド未見のヤングキング読者にはワイルド7への優れたガイダンスになる。一挙三徳の素晴らしいアイディアだ。

小林さんは望月先生のお弟子さんのひとりだが、このページをめくらせる力、筆力は師匠譲りの素晴らしいものだと思う。読者に考えるスキを与えず、自らの作品世界に引きずり込んでいく。マンガへの真剣さが読者を引き込むのだと思う。そして、キャラクターの強烈なバイタリティー。これも師匠譲りのものだろう。

そう言えば三四郎のヒロインは「志乃」というのだが、これは志乃ベエから来てるのだろうか。

トリビュートの中の「豪華キャラクター陣」の中にマイケルが混入しているが、ひょっとして「ブラッキー」(軍八の飼い猫)の役なのだろうか...?他に考えられないが、ブラッキー役のマイケルは想像しただけで大笑いである。

小林版ワイルドの中では両国役が一番可笑しかった。私はこのキャラクターを知らないが、いかにも質が悪そうなヤツで、両国が持っている異常性、タチの悪さ(普段は隠されている)をうまく表現出来ていたと思う。この辺の感覚は、実写化された俳優が原作イメージに合うかどうかを議論しているようで面白い。この両国役は、外見は違うが(ある部分の)イメージは合っている、という感じで新鮮だった。

作品中一番笑ったのが、ブカーと煙草をふかしながらワイルド7の原稿を仕上げる「小林まこと」に、矢印で「18歳」という描き込みがあった部分。もう時効だろうが、望月先生の管理責任は話題になり得る。このシーンを読んだ時の先生の表情を想像しただけで楽しい。

小林さんには「予告編マンガ」の第2弾もぜひお願いしたい。今回紹介されたシーンとは別の切り口の「名場面集」もきっとあるはずだ。

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トリビュート第2弾!! 土山しげる+対談+エンブレムステッカー

今回の土山しげる版は「大食いバトル」の話でギャグ調の展開だったが、ほのぼのした部分もワイルド7にはあるので、僕は楽しめた。

主役に抜擢された茶髪というか金髪のヘボピーが新鮮。現代だったらこういう髪色なんだろうな、と説得力があった。(両国のヒゲも同じような色だが、彼の髪色も...?)

「俺の地元・横浜」となっているが、オリジナルでは福生のイメージだったように思う。生活の拠点を横浜に移したのだろうか? ハーレー関係の雑貨屋でもやってそうな雰囲気だ。

「悪食三兄弟」との対決シーンだが、豚マンの食べ方はホットドッグ早食い競争のアレを風刺しているのだろうか。僕もアレにはちょっと抵抗があるので、よくぞ描いてくれた!って感じだ。「早食い」であっても「食」にはこだわって欲しいところだ。

最後にヘボピーが繰り出す「ワイルド流二丁食い」は、「魔像の十字路」序盤の軽井沢でのシーン、モーゼル2丁拳銃にかけているのだろうか。「10発、そいつを2丁、 20発!」というヘボの超カッコイイシーンあったのだが、あれだけ盛り上げておきながら、結局撃ち合いが起こらないという展開には驚く(笑)。

望月先生と土山さんの対談が載っているが、これも面白い。独立してからも、食事が美味しいのでそれも目当てで手伝いに来ていたとか、まるで江戸の試衛館のようだ。「食客」みたいな感じで。きっと先生の門下は、新選組の試衛館派のような一体感があったのだろう。それは、生み出された作品群から感じ取ることが出来る。

今号にはワイルド7のエンブレムが付属してくるが、オリジナルと少々違うのではないか、という声もある。しかし、オリジナルも不定形なので自分は気にならなかった。
「月刊 望月三起也」で用いられているものが、先生に最終確認した「決定版」のデザインとのことだ。以下に記事がある。

ワイルド7公式エンブレム決定!
http://wild7.jp/23

指摘されるまでデザインが不定形であることに気付かないあたりは、いかにも先生らしい(笑)。しかし、それと同時に、初登場時からエンブレムがきちんとデザインされていること、そしてそれが、一度見たら絶対に忘れられない優れたデザインであることも、いかにも先生らしいことだと思う。

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東本昌平版ワイルド7!袋とじ企画も凄い。

来ましたネェ、ついに。ヤングキング誌の「ワイルド7 トリビュート」。こうした企画が実現することが、とにかく嬉しい。「快挙」としか言いようがない。

生誕40周年!ヤンキンで「ワイルド7」トリビュート開始(コミックナタリー)

http://natalie.mu/comic/news/show/id/21161

これから本当に「東本版ワイルド7」の連載が始まるような気にさせる展開。ルパンの例もあるし、マジでどうだろうか?

ところで、東本さんの「キリン」に出てくるモヒカン店長って、TV版ワイルド7の「モヒカン」がモデル(というか原イメージ)じゃなかろうか...?

袋とじ企画の「ワイルド7第1話」も凄い。当時のキング誌面を完全再現している(読みやすさを考慮して一部修正されている模様)。これは永久保存版。保存用にもう一冊買わなくちゃぁ。ワイルド7の解説記事も嬉しい!

40年前にこれを読んだ人、相当面食らっただろうね。
警官によるショットガンの対人使用(しかも無警告)など、思っても見なかったことだと思う。現在の少年誌ではムリな表現だろうなぁ。ホント「考えられない無茶さ加減」だと思うよ。少年マンガの「アクション」に革命がもたらされた瞬間だね。

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どうなる? ワイルド7トリビュート

いよいよ今月から始まる「ワイルド7トリビュート」。皆さんはどんな内容を予想しておられるだろうか。

第1弾の東本昌平さんの分は絵が発表されている。ぱっと見ると、ユキ(と考えて良いのか?)のバイクは原作当時のドゥカティ(原作の"S"に対し、これは"SS"だろうか?)で、大型ライフルは80年代に開発されたもの(バレットM82のカスタム)のようだ。なので、東本版ワイルドの舞台は「現代」と考えられる。

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過去作品のトリビュートのパターンの1つとして、「キャラクターデザインを作家オリジナルに変更」「作品の舞台を現代に移す」というのがある。映画で言うところの「旧作のリメイク」だ。いま「特攻野郎Аチーム」のリメイク版のキャスティングが話題になっているが、俳優陣だけでなく時代背景も「ベトナム帰り」から変更され「イラクorアフガン帰り」になるのではないだろうか?トリビュートの王道は、たぶんこれ。東本版はこのパターンだろうか。

また「オリジナルに描かれていない部分を描く」というパターンもあると思う。言わば、「原作の補完」である。
ワイルド7ファンなら、「飛葉が定期的に少年院を抜け出す理由」「オヤブンの特技って結局何なんだ」「テルのその後は?」「秘熊はどうやって倒されたのか」などが思い浮かぶことだろう。これらの「謎」の解明に挑んで欲しいところだ。

「補完」と言えば、「ヘボピーのバイクの後輪、八百のバイクの補助輪の構造はいったいどうなってるんだ?」という謎もある。この辺は東本さんがやってくれそうで楽しみだ。

あまり出番がなかったキャラクターにスポットライトを当てる、という方法もあるだろう。そういうキャラクターといえば何といってもチャーシュー。彼の特技は本当に「石頭」だけなのか、経営しているラーメン屋ってどんな感じなのか、飛葉との関係はどうなっているのか(飛葉のことを「副長」と呼んでいるシーン有り)、そもそもどんな悪事を働いたのか...などなど、知りたいことが多すぎる(笑)。

世界も早死にしたキャラクターだが、ライダーとして、男としてあまりにもカッコいいのでファンが多い。世界とチャーシューが出て来る「アーリー・ワイルド7」は読んでみたいところだ(飛葉がまだリーダーになり切れていない頃の話)。望月先生の短編「優しい鷲」は世界をフィーチャーしたセルフトリビュート作品(?)という解釈も出来るだろう。ヤングキングに再録してくれないだろうか?

あと「裏の裏」のパターンで、「原作そっくりに描く」というパターンもあろうかと思う。かつて「江口寿史責任編集」で注目を集めた「COMIC CUE」というコミック誌があったが(今もあるのか?)、その江口さんの「すすめ!!パイレーツ」のリメイクを、やまだないとさんがまったくソックリに描いており、「この手があったか」と強い衝撃を受けた(舞台は現代に移してある)。

このパターンで来る可能性があるのは土山しげるさんだろうか?土山さんは「カエルぷろ」のヘッドだった方だが、特に印象的な「魔像の十字路」〜「俺の新選組」の頃の、画面真っ黒・過剰描き込み時代の絵を再現して貰えないだろうか。1ページだけでも(笑)。

「弟子筋」というと小林まことさんもおられるが、小林さんの漫画の主人公のキャラクターと、ストイックな飛葉ちゃんはまったく結びつかない。いったいどうなるのか。そもそも小林版ワイルドに飛葉は登場するのだろうか。

あれこれ推理して楽しんでいるが、名うての執筆陣のことだ。必ずファンと望月先生を「あっと言わせる」策を練ってくるだろう。とにかくトリビュートの掲載が楽しみでしかたがない。


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ワイルド7 トリビュート いよいよカウントダウン!!

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ヤングキング誌上、そして「月刊 望月三起也」でも告知されているように、「ワイルド7トリビュート」の執筆陣が発表され、大注目の第一弾、東本昌平版ワイルドは9月14日(月)発売号に掲載される。いよいよカウントダウンに入った!

ワイルド7トリビュート情報
http://wild7.jp/3118

ワイルド7トリビュート執筆陣発表!!
http://wild7.jp/3105

いよいよヤングキングで「ワイルド7トリビュート」がスタート!!
http://wild7.jp/3084

Youngking16yokoku

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