ワイルド七不思議

ワイルド7の上位機関は、JAの「J機関」か?

「秘密探偵JA」を読んでいて、ワイルド7のひとつの「謎」が解けた気がする。それは「ワイルド7の上位機関は何か?」「真の指令者は誰か?」ということだ。

第1話「野性の7人」編で、草波は「わたしの動きは上から指令されたものなのだ」「指令者が国でいちばんえらいあいつである限り、わたしはロボットに過ぎない!!」と語っている。ワイルド7は悪を処刑する実行チームであって、捜査や処刑の判断はワイルド自身が行うのではない。それを行うのは「上位機関」であり「国でいちばんえらいあいつ=指令者」なのだ。

「JA」には「J機関」なる秘密組織が登場する。正式名称は「日本秘密防衛組織」。「大佐」と呼ばれる人物の指揮下に、Sナンバーを持つ100人の諜報員(秘密探偵)を擁している。そして、この秘密探偵のえり抜きの3名がJ機関のエース「JA」と呼ばれる。主人公の飛鳥次郎もこの「JA」だ。

JAはスーパーエリートだが、一般の諜報員もエリートだ。基本的な諜報活動しかせず、基地防衛には専門の部隊が、大規模な破壊活動には「破壊班」と呼ばれる戦闘部隊が用いられる。この「破壊班」は「探偵(諜報員)」から「連中は頭はそう良くないが 武力にかけては ずば抜けているからな」と言われている。これはまさに(笑)、ワイルドたちのことではないか?

戦闘部隊である「破壊班」は完全に使い捨てのようだ。「香港の黒い霧」編のラスト、飛鳥次郎の射撃は一瞬及ばす、敵ボスの自爆スイッチが発信され、アジト(工場)に突入した「破壊班」(フルメンバーの50人)は一挙に潰滅してしまう。落ち込む飛鳥次郎に対し、探偵のS6号は「これだけの大物を倒して50人の犠牲は少ない方だ」と励ます。本部では長官(大佐)が笑顔で帰還した探偵たちを迎え、首相からは2人にお礼のメッセージが届いているという。きっとコンクリート・ゲリラ事件や肉鉄事件の際も、こんなやりとりがワイルドたちの上位機関(J機関)内で交わされていたのだろう。

ワイルドも、肉鉄事件の際に現れた「22口径が得意な浅野」たちサブメンバーも、J機関の「破壊班」なのだ(バイクを操れるということで、機動力を持たされた特別班なのかもしれない)。肉鉄の軍師の情報をもたらしたり、「一人一殺」を命じられたシシ座の一味をマークしていたのも、探偵たちなのだろう。ワイルドたち「破壊班」は、草波が「魔像の十字路」編の冒頭で語ったように「世の中のどぶさらいをする人間たち」だ。そして「栄光もなく消えて行く」。JAとワイルドの世界が、こんな形で繋がっていたとは...。

草波の過去話、上に掲げた言動から想像するに、ワイルド7は草波が自らの理想実現のために組織したが、国家から公認される過程で「J機関」に取り込まれたのではないだろうか?草波としては、処刑の決定権を隊内に確保したかったが、「ワイルド公認の条件」として「J機関」の配下に入ることを妥協せざるを得なかったのだろう。しかし草波に処刑決定権が全くないのではなく、限定されているのだと思う。



J機関の破壊班
J機関の破壊班

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ワイルドが小口径の小型拳銃を使う理由

これは、ワイルドを読み始めて誰もがすぐに思い付く疑問だと思う。主人公の飛葉大陸は、コルト・ウッズマンという22口径の競技用拳銃の短銃身カスタムを使用している。スターム・ルガーMk.Iも良く出て来るが、これも22口径の競技用拳銃でウッズマンの市場を奪ったヒット作。ウッズマンのターゲットモデルをヘボピーが使っているし、両国はエアピストルを使用している場面もある。八百は南部陸式拳銃(パパ南部)を使用しているが、これは有名な十四年式の前モデルで稀少品だ。8ミリ南部弾はコントロールしやすいが軍用拳銃としては威力不足と言われる(この弾丸は戦後米国でマニア向けに少量生産されたようだ)。

Photo_4

これらのガンの共通点は何だろうか。「銃身がスライドに隠れないデザイン」という意見も当然あるだろうし、先生の意図も実際のところその辺りにあると思うのだが、僕は「持ちやすさ」「扱いやすさ」という小柄な日本人にとっての実用性ではないかと考えている。

日本人が拳銃の導入、設計を検討する場合に、まず考慮しなくてはならないのは日本人の欧米人より小さい手、弱い腕力である。グリップがスリムで、小さな手、短い指でも使いやすく、反動も小さくなくては、とても実戦では使用できない。ワイルドのメンバーは非常に実用的な視点から、自らのガンを選んでいるのではないだろうか?

また、ウッズマンで言えば、小口径シングルカラムのスリムなマガジン&グリップでありながら10発という多めの装弾数も実戦では魅力的だ。構造が単純で、造りも堅牢のようだ。弾丸は初速が上がるように改良されているのではないか。「22マグナム弾」という強装弾が存在するようだが、高速小口径弾の人体へのダメージは大きい(体内で骨にあたると跳弾して弾道が変化するためダメージを増やすし、弾丸も体内に残りやすい)。

ヒーローの使う道具が「無敵のハイパワー」では盛り上がりに欠ける、という判断があったのかも知れない。「サーキットの狼」の風吹裕矢がポルシェに乗っていたのでは話を展開しにくいだろう。非力だがコントロール性抜群のロータス・ヨーロッパの方が主役に向いている。主役メカは、主人公の技術の高さを証明し、引き立てるような「道具」でなければならないのだ。 また、飛葉のもう一つの得物、ライエットショットガンの圧倒的な破壊力をより際立たせるため、メインウェポンの拳銃は非力なものにした、とも考えられる。なかなか深い!


| | コメント (0) | トラックバック (0)