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「タイガー陸戦隊」の十四年式拳銃

ひさびさの更新。「月刊望月三起也」2月号に、私が書いた「タイガー陸戦隊」が掲載されたので関連したネタを書きたいと思う。

作品紹介・タイガー陸戦隊
http://wild7.jp/3950

これを書きながら気づいたことがある。

私も周囲の少年たちと同様モデルガンにハマったくちだが、旧日本軍の「十四年式拳銃」だけは手を出さなかった。松本零士メカにも多数援用された、独特の美意識を感じるデザインが嫌いなわけではないのに、なぜが受け入れられなかったのである。友人が規制前の黒穴モデルを持っていて握らせてもらったりしていたが、顔がニンマリとはならず、逆に強ばってしまったのを覚えている。

その理由が、今わかった。この「タイガー陸戦隊」に出て来る「恐怖部隊のレストラン」のシーンがトラウマになっていたのだ。

この作品について書こうと思った時に、外せないシーンとしてまっさきに思い浮かんだのが、このシーン。日本兵が一般の民家に突然訪れ、壁に一発かます。すると途端に食事の支度が整えられるのだ。この衝撃的なシーン(小学生の自分にはそう思えたのだ)で使用されたのが、十四年式拳銃。「カッコいいメカニック」としての兵器の姿はそこにはなく、絶対的な権力の象徴、暴力の象徴としての生々しい兵器の姿がそこにあった。

思えば、これが軍用拳銃の典型的な使われ方なのではないだろうか?

軍用拳銃は、戦闘中に敵に向けられて使用されることは少ないと思う(戦車兵やパイロットなど、拳銃をメインウェポンとする兵を除いて)。占領下の民間人、捕虜、あるいは部下など、立場の弱い者に向け、威嚇・威圧に使われることの方が多いのではないか。あるいは自決用として自分に向けるか...。

敵国の拳銃は「敵軍」の象徴でもあり、戦利品としても価値が高かったと聞く。軍用拳銃は兵器、戦力としての価値以外の価値の方が高いように思う。これは銃剣にも言えると思う。銃剣は被占領民にとっては「占領軍の力の象徴」であり、弱い者への威圧に使われることの方が多いはずだ。

書いているだけで気が滅入って来る話だが、兵器を単純に、メカニックとしてだけ見ることは出来ないからしかたない。そして今にして思うが、私にこうした視点を与えてくれたのは、望月三起也先生のこの作品であるのは、間違いない。

望月先生には本当に感謝している。本当によくぞ描いてくれました!先生ほど、権力、暴力、兵器の怖さ、本質を描いた作家はいないと思います。

「タイガー陸戦隊」eBookJapan(電子書籍)
http://www.ebookjapan.jp/ebj/book/60015544.html

「タイガー陸戦隊」の十四年式拳銃
「タイガー陸戦隊」の十四年式拳銃


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