キャラクター研究:両国
ワイルドのキャラクター研究を両国からスタートしたい。この両国というキャラクターは、様々な意味でワイルド7を代表する存在と思われるからである。
まず、彼の入隊経緯から。「バイク騎士事件」において、
●火薬を使って金庫破りを行い逮捕されたが、草波が救った
●花火会社の会長を恐喝し、社長以上の権力と収入を得ていることを草波が黙認している
という弱みを握られていることが語られている。
そして「野性の7人」において、MCプロ本社ビルを砲撃しながら

ヒーヒッハッヒッヒッヒッ
おれは こんな はでなことが だいすき!!
と生き生きと語っている。(草波隊長の命令を無視してヘボピーと飛葉救出に戻ってきたのだが、ホントはロケットを撃ちたかったんだろ...?)
両国はワイルドのメンバーであることで、銀行強盗という旧悪を免除され、現在の犯罪を黙認されていることで経済的利益、社会的地位を得、そして「火薬による破壊活動」という彼の趣味を合法的に行うことが出来る。まさにワイルドに相応しい人物であり、ワイルド7は彼のためにある組織といっても良いだろう。逆に、ワイルドがあるからこそ、彼の能力を社会的に正しく活かすことが出来ているとも言える。草波にとっては御しやすい相手。この両国こそ、ワイルドの典型的な隊員像だと思う。(実は、主役の飛葉がワイルドで戦う理由が一番薄く、正確な動機が不明なのだ...)
両国はプロフィールも他の隊員より若干詳しく描かれている。
●札幌出身(朝食に死を)
●花火師のせがれ(緑の墓)
●警視庁特捜隊主任 菊川凱夫といとこ同士(地獄の神話)
花火会社の係長というきちんとした表の顔を持っているし、ワイルドの中でも両国はかなり社会性がある存在だ。菊川主任といとこ同士という設定が面白い。八百はまったく親戚付き合いがないようなのに(八百長事件で親戚一同大迷惑したのだろう)。しかし、こんな犯罪者が特捜隊主任の親類にいるって問題にならなかったのだろうか。この問題を隠すために、菊川主任が草波に両国を紹介したように思うのだが...。
ファンの間で時折問題になるのが両国の年齢。行動はまったく子供っぽいのだが、口ひげの存在が気になるところ。両国は若いのか?オッサンなのか?
「バイク騎士事件」では、大邸宅、ベンツを得ているような描写がある。社内では専用の「係長室」を構え、6人の秘書をはべらせている。やっていることはいかにもオッサンなのであるが、最年少の飛葉と一番仲が良いというし(野性の7人)、「朝食に死を」では女子高生と付き合って情報を得ているし、ユキからは「両国くん」と呼ばれ、八百のことを「八百さん」と呼んでいるシーンがある...。僕の結論は「両国はユキより若いが、趣味がオッサンくさい(行動は子供っぽいが)」である。
次に、作品としてのワイルド7にとっての両国の存在である。彼のサイドカーに装備された火力(自走爆弾、多連装ロケット砲)の意義は大きい。戦力として大きいことはもちろん、ワイルド7のコンセプトにも大きく関わってくる装備ではないだろうか。詳しくは別項にて書こうと思うが、両国の火力こそ「ワイルド7=SWAT」の性格を明確に現していると思う。ワイルド7の両国の装備こそ、恐らく世界初のSWATコンセプトのビジュアルイメージ化ではないだろうか。
「小柄で子供っぽいキャラクターで爆弾魔」という設定は、永井豪作「あばしり一家」の「吉三」を連想させる。両国の影響か?と思ったら、「あばしり一家」の初回は少年チャンピオンの創刊号で、ワイルドの連載開始より1ヶ月ほど早いようだ。これには驚いた。「あばしり一家」も主人公側のキャラクター全員が悪党だが、ワイルドのように正義のために戦ったりはしない(笑)。
文庫判の裏表紙(書き下ろし)に、2008年仕様の両国のサイドカーが描かれている。
砲門数は4×4の16門。コミックスでは2×4(時折2×3になるが...)だから砲門数は2倍になっている。ロケット弾の発射口が四角く、カバーが付いているという新解釈も面白い。「超攻速ガルビオン」のオープニングのように、ロケット弾発射後、破れたカバーがヒラヒラと舞い落ちるのだろうか。そういう光景もぜひ見てみたいものだ。
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