カテゴリー「書籍・雑誌」の10件の記事

2010年8月 9日 (月)

シーカヤック・オススメの本(1)

カヤックを購入して、最初に手にしたのがこの2冊だったと思う。

「風と波を知る101のコツ ―海辺の気象学入門」
 森 朗 (著) エイ出版社

カヤックの大敵は風。天候。
それを先読みできるようになることが、危険回避のための第一歩だと思う。
セルフレスキューより、そのような状況に陥らないような知識、判断力を持つことが第一。

ひとつのテーマを見開きで読めるようになっていて、とても読みやすい。


「カヌー&カヤック入門―川・海・静水別、基本&実践テクニック集」
 辰野 勇(著) 山と溪谷社

ロープワークや地形と風の関係など、情報がとにかく網羅的。まずはこの一冊を。

シーカヤック以外のホワイトウォーターカヤックやカナディアンカヌーの解説もあるのだが、シーカヤックとの比較ができるし、「カヌーワールド」への夢が広がるし、これが意外と良かったりする。
著者であり、モンベル創業者の辰野氏のコラムも面白い。



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2010年7月 8日 (木)

「るろ剣」と峰隆一郎の「明治シリーズ」

「るろうに剣心」が初めて実写で映画化されるそうだ。「るろ剣」の初期のストーリー(志々雄一派が出て来る前)はなかなか面白くて好きだったので、楽しみである。

「るろ剣」といえば、峰隆一郎の「明治シリーズ」(1987年〜)という小説の強い影響を受けている。具体的に言うと、時代状況の設定がまったく同じだ。舞台は西南戦争後の明治十年の東京。

シリーズの主人公は警視庁の巡査・藤田五郎(斉藤一)である。藤田は警視庁大警視・川治利路の懐刀として難事件に立ち向かっていく。藤田五郎は「るろ剣」にも登場するが、副主人公と言えるほど存在感は大きい。

この「難事件」の多くが幕末の悲劇がらみであり、廃刀令が出る、西南戦争が終わるという時代の境目である「明治十年」に時代を設定した意味が出てくる。このあたりの感覚(「幕末」を引きずっている者たちの悲哀)を「るろ剣」は引き継いでいるように思う。

相手役には、赤報隊の生き残りや、沖田総司そっくりの美剣士暗殺者(車上の大久保を暗殺する..!!)といった、「るろ剣」がモロに影響を受けたであろうキャラクターが登場する。

るろ剣ファンにとっては、剣心は出てこないが、人気キャラクターの藤田五郎が主人公の「小説版」とも言える内容なので、けっこう楽しめると思う。

シリーズの中では、赤報隊がらみのストーリーである「明治暗殺伝―人斬り弦三郎 」(祥伝社文庫) が特に面白いのでお勧めである。後書きによると相楽隊長のご子孫からも賞賛されたそうだ。


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2009年9月15日 (火)

東本昌平版ワイルド7!袋とじ企画も凄い。

来ましたネェ、ついに。ヤングキング誌の「ワイルド7 トリビュート」。こうした企画が実現することが、とにかく嬉しい。「快挙」としか言いようがない。

生誕40周年!ヤンキンで「ワイルド7」トリビュート開始(コミックナタリー)
http://natalie.mu/comic/news/show/id/21161

これから本当に「東本版ワイルド7」の連載が始まるような気にさせる展開。ルパンの例もあるし、マジでどうだろうか?

ところで、東本さんの「キリン」に出てくるモヒカン店長って、TV版ワイルド7の「モヒカン」がモデル(というか原イメージ)じゃなかろうか...?

袋とじ企画の「ワイルド7第1話」も凄い。当時のキング誌面を完全再現している(読みやすさを考慮して一部修正されている模様)。これは永久保存版。保存用にもう一冊買わなくちゃぁ。ワイルド7の解説記事も嬉しいなぁ。

40年前にこれを読んだ人、相当面食らっただろうね。警官によるショットガンの対人使用(しかも無警告)など、思っても見なかったことだと思う。現在の少年誌ではムリな表現だろうなぁ。ホント「考えられない無茶さ加減」だと思うよ。少年マンガの「アクション」に革命がもたらされた瞬間だね。

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2009年5月12日 (火)

ヤングキングで「ワイルド7 トリビュート」

「月刊 望月三起也」掲示板に編集さんから告知があったが、ヤングキング誌上で「生誕40周年記念企画 ワイルド7 トリビュート」なる企画がスタートするそうだ。

「月刊 望月三起也」掲示板
http://wild7.jp/bbs/detail.php?TXT=090508170356503551.txt

月曜日発売のヤングキング最新号にて正式な「発表」があった。まだまだ詳細は不明だが、ワイルドのカラーページがあったことが嬉しかった。これは本当に感無量。「キング」にワイルド7が帰ってきた...!!

思えば、キング誌以外では「ワイルド7」はあり得なかったと思う。「マイナー誌の一枚看板」だったからこそ、あれだけハードな内容の作品が思う存分描けたのだと思う。他誌ではあり得ない。部数はイマイチでもオリジナリティの高い作品が多かった「少年キング」。ワイルド7も不滅なら、少年キングも不滅だ!!


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2009年2月 3日 (火)

「月刊 望月三起也」に載ったどー!

一昨年より、レジェンド漫画家、望月三起也先生の代表作「ワイルド7」の復刊がぶんか社より開始されたが、その影響で昨年後半あたりから私の内部でワイルドブームが激しく再燃、ファンイベントに参加したり、ワイルド7ネタ専門のブログ(ワイルド7 FC)を立ち上げるまでに至った。夢中になると徹底的に追求するクセが(またしても)出たようだ。

ワイルド7 FC
http://grunherz.cocolog-nifty.com/wild7fc/

望月先生の公式サイト「月刊 望月三起也」は、毎月コンテンツを更新する月刊誌スタイルをとっており、制作はファン主導で行われているユニークなサイトだ。読者投稿を随時募集しているので僕もエントリー、「今月号」(今月更新分)に掲載される運びとなった。

「月刊 望月三起也」作品紹介 第7回 ワイルド7「魔像の十字路」
http://wild7.jp/1956

「作品紹介」というカテゴリーに、最も思い入れのある「魔像の十字路」編について書かせてもらった。「作品紹介」というタイトルでは重過ぎて書けない(思い入れが強過ぎて客観的な記述が出来ない)...と運営事務局に相談したのだが、「<俺の>魔像の十字路で結構ですよ」という返答を頂き、グッと気分がラクになった。望月先生に丁寧で分量も多いコメントも頂き、幸せ一杯。「感謝」の気持ちを初めて伝えられて感謝・感激である。

望月先生と言えば、日本の女子サッカーの黎明期に女子クラブを運営しておられた方としても有名。現在もなでしこリーグの参与を努めておられる女子サッカー界の大恩人だが、茅ヶ崎の私の友人が、この先生のクラブに在籍したという縁もある。1970年代後半の話だ。当時の大会のプログラム(ガリ版刷り)を彼女から借りているのだが、中学生時代の本田美登里さんら錚々たる顔ぶれが見られる。

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2008年12月20日 (土)

岩本えり子さんの本が出版されました。

茅ヶ崎海岸の魅力を守るために奮闘され、2008年10月に残念ながら病気のため亡くなった岩本えり子さんの本が出版された。市内書店には24日頃並ぶそう。アマゾンでは予約が出来るようだ。

ここには、茅ヶ崎のひとつの歴史が描かれている。ぜひ多くの方に手に取って頂きたい。


エリー 茅ヶ崎の海が好き。 岩本 えり子 (著) 価格:¥ 1,260(税込)
ISBN-10: 4062152347 ISBN-13: 978-4062152341

プロローグ
序 章 息子の誕生
第一章 茅ヶ崎の姉と弟
第二章 カーメルの海
第三章 サザンビーチにマンション!?
エピローグ
あとがきにかえて

正式な書名は「エリー (C) 〜茅ヶ崎の海が好き。」
Cは茅ヶ崎とカーメル(彼女の米国の住まい)から取ったものだそうだ。

えり子さんとの思い出を簡単に語ることは出来ない。「はまけい」設立から海岸高層マンション反対運動まで、ずっと深く付き合ってきたから。

誤解して欲しくないのは、彼女は反対するのが好きな「コワイおばさん」ではないということ。「はまけい」で彼女が本当にやりたかったのは、マンション反対運動などではなく、「浜の川柳・俳句プロジェクト」や現在進めている「烏帽子岩の魅力再発見プロジェクト」のような文化的な事業だ。また漁業者との交流にも強い関心を持っていた。

そんな彼女が、全力でマンション反対運動に立ち向かわなくてはならなかったのは何故か? 今回の出版を機に、その辺のことをもう一度みんなで再考して欲しいと思う。

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こちらは、えり子さんが英語詩の補作を行った、桑田佳祐の「波乗りジョニー」。
こうした桑田作品にも、えり子さんの存在は残っていく。

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2008年9月 3日 (水)

楳図先生お誕生日オメデトー!!!

今日は私が敬愛する漫画家の一人、楳図かずお先生の72歳のお誕生日。まことにおめでたい

先生の作品はどれも素晴らしいが、長編では「漂流教室」が圧倒的な完成度だ。恐らく100年後でも1ページ1ページの意味が検証されるだろう。(浦沢直樹とか最短20年で忘れ去られる気が...)
漫画表現の究極を示した恐るべき作品であり、真の群像劇と言える。「無名の登場人物」が鮮烈に行動しバタバタと死んで行くが(800人超が約半数に!!)、本当に無名のまま死んで行くのだ。映画、ドラマ、小説なら簡単にでも役名が付くだろう。しかし、漫画は役名なしでも描けるのだ。本当の「無名の死」を描けるのは漫画だけなのだ。おびただしいキャラクターを描き分ける手腕も素晴らしい。

「わたしは真悟」も強烈な印象を残す。作家自身のカルマが全開。先生はあるインタビューで「恋愛は他人に任せた(自分はしたことがない)」というような事を語っておられた。先生は美しいもの、純粋なものがひたすらに好きであり、作品を通じてそれを追い求め続けておられる。先生の作品には純粋な少年少女たちが「未来の種」になるような話が多い。本当に純粋なもの、美しいものは、自らが生み出すイメージの中にしか存在しないのか?

純粋な少年少女の子供と自覚し、生命を得た産業用ロボットの「真悟」。産業用だから「腕」しかないのだが、これが「描く」ことが仕事の作家自身のメタファーでなくて何なのか。「子供である私がいるからこそ、2人は夫婦であり得る」という発想。作家は自らの作品を媒体に永遠の恋愛を体験(創出)し、それを不朽の名作として後世に刻みつける。作家自身が作品の構成物であり、作中自らが体験した「恋愛」が作品となっている。強烈な作家性。「上手い」だけの漫画家(20年で忘れ去られるような)との決定的な違いがここにある。

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2008年8月16日 (土)

新選組の「志」...松浦玲著「新選組」を素材に(1)

松浦玲著「新選組」岩波新書(2003年)を題材に新選組の志の変遷について書いてみたいと思う。本書は数多ある新選組本の中で、日本近代政治史、政治思想史の研究者の立場から書かれた、恐らく唯一のものと思われる。副題として「近藤勇の思想と行動」とでも付けると、この本の性格を捉えやすくなると思う。

局長近藤勇は多摩の後援者たちに長文の手紙をたくさん書いた。京都でいま何をしているのか、何をしたいのかを伝えることを、地元後援者への義務と考えていたようである。この手紙を当時の政治情勢と対照させて行くのだが、新選組の思想と行動を明らかにするには、もっともオーソドックスと思われるこの手法を採用した書物はこれまでなかった。小説(読み物)や、各隊士のキャラクター(土方歳三や沖田総司に偏っている)を掘り下げるための研究は行われてきたが、「新選組」自体の研究、代表者である近藤勇の研究は疎かにされて来たのだ。

新選組は「有志の集団、思想的結社」であり(途中で変質せざるを得なくなるが)、「京の治安維持活動は副業」だった...と著者は位置づける。見廻組とはまったく異なる性格を持った組織ということだ。幕府側に軸足を持ちながらも尊王攘夷を求めて行くのが「志」であり、そもそも浪士組に参加した理由でもある。その「志」の達成のためには政治活動(内外への働きかけ)も必要であり、それには一定の独立性が必要となる。新選組は幕臣取り立てを辞退したり(「攘夷実行までは辞退したい」文久三年十月)、見廻組のように上役を据えられることを回避して来た。また、元治元年五月に将軍家茂が攘夷実行を命じないで京から帰府しようとする時、「浪士組募集に際しての約束を守らないなら我々を解散してくれ」と「離縁請求」を突きつけたりしている。「我々は尽忠報国の志を持って応募したのであって、京都市中の見回りは本意のことではない」のである。これはミッション(目的、使命)を持った組織だからこそのこだわりである。

近藤の「志」とは何だろうか?当初それは「尊王攘夷」であり、浪士たちの用語で「尊王攘夷」は「尽忠報国」とほぼ同義だったと著者は書いている。浪士組募集時の応募資格に「尽忠報国の志が厚い者」とあり、「尽忠報国」はその後の新選組のスローガンともなって行く。新選組が「尊王攘夷」を思想として持っていたと書くと違和感があるかもしれないが、そもそも幕府が朝廷から政務を委任されているという関係だから、武士はみな「尊王」であり、当時の孝明天皇が熱烈な攘夷論者である以上、「尊王攘夷」は当然なのだ。近藤たちと、当時の長州や土佐、公卿の過激派は「攘夷は可能であり、将軍が魁となって断行すべき」という点で一致していた。しかし実務者である幕府は攘夷の不可能性を実感しており、攘夷実行をあの手この手で伸ばす...という非常にややこしい状況なのだ。

この「ややこしい状況」が、近藤たちの「志」を変えざるを得ない状況に追い込んでいく。「尽忠報国」の「国」とは何を指すのか。そのあたりも変化せざるを得なくなってくる。「志」、つまり「結党の理念」が揺らぐということは、組織を維持していくための「軸」が揺らぐことを意味している。「結社」にとってこれは危機といえる。(つづく)

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2005年7月26日 (火)

読書日記:「スペースシャトルの落日」

もうすぐ、野口聡一さんが搭乗したスペースシャトルが打ち上げられる。
野口さんは茅ヶ崎市出身なので地元での注目度は極めて高い。

僕は茅ヶ崎といろいろ縁があって海岸侵食の防止や浜の景観を守るための活動をしているのだが、その活動の中で「野口さんの親と知り合い」とか「近所ですれ違った」といった話が出て来るし、公民館などには野口さんの宇宙服姿のポスターが掲げてある。シャトルが市の上空を通過する際に、市のシンボル「えぼし岩」をライトアップして宇宙から見えるようにしよう、といったプロジェクトも進められているようだ。

そんな状況なので、今回のフライトにはとりわけ親近感があり、同時に不安感もある。完全に観客的、第三者的なスタンスを取れないのだ。

この本(右のリストに表示されている)を書店で見かけたとき、買うかどうか迷った。不安が募るようなタイトルだったからだ。だが、この本の著者のメッセージ「自分の頭で考えなくてはならない」は僕のポリシーでもあるので思い切って購入した。

解説で作家が書いているが、この本はスペースシャトルを失敗作だと断定し、その理由を細かく解説した(恐らく)世界で最初の本らしい。聞いたこともない版元だが、サイエンスライターの著者は極めて分りやすく宇宙開発事業の構造、技術を解説してくれている。かなりの良書だと思う。

この本を読んでいると非常にやるせない気分になってくる。宇宙開発は巨大な公共事業であり、いつしか「業界」の維持が事業目的になってくる。計画は出来るだけ開発にコストがかかるものでなければならない...。純粋に技術的な見地からコンセプトを決めることができないのだ。

結果、でき上がったのは、すべてに凡庸な性能、高コスト、低安全性の「寸足らずの万能機械」。でも国家的プロパガンダで人々は「宇宙新時代の到来」を信じてしまった。

しかも、アメリカは、この「夢」に自国民だけでなく全世界を巻き込んでしまった。スペースシャトルの性能を信頼して立てられた各国の宇宙開発計画は軒並み大迷惑を被った。我が国も例外ではない。納税者として、これは看過出来ない問題だ。

完全な再利用タイプの宇宙往還機は、幻想に過ぎなかったのだろうか。技術的、コスト的にかなり難しいようだが、SFファンとしては、夢が砕かれるようでショックを受けた。SFで描かれたようなものを作ろうとしてしまったのか?技術的な観点から考えずに。

アメリカ政府は高コストのスペースシャトルに嫌気がさし、2010年には全機退役させるそうだ。国際宇宙ステーションを最低限の規模で完成させて自国の責任を果たし、それと同時にシャトルからも手を引くという算段だ。

こんな終わりが見えている計画なのに、無理とムダが多く危険な機体なのに、やはり飛ばなくてはならないのか....。
過酷な宇宙開発の現実を当事者の立場から描いたエドモンド・ハミルトンのSF小説(「向こうはどんなところだい?」)が脳裏に浮かんで来る。とにかく無事に帰って来て欲しい。

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2005年5月10日 (火)

読書日記:「起業バカ」

タイトルに「読書日記」とあるのだが、本について書くのはこれが初めてとなる。サッカーネタが忙しく、ようやく時間が取れた(Macのことも書いていないなぁ...)。僕は典型的な「積ん読」派で、興味を持った本は取りあえず買ってしまう方なのだが、その蔵書量と自分の余命を天秤にかけると最近は何だかとても読み切れないような気がしている。それは何とも心残りだ。全部読むまで絶対死なないぞ!とこれが生への執着に転化している。(それは良いことだろう?)

そんな訳で近年読書熱が高まっているのだが、普段クルマ通勤の僕にとってアウェイツアーは絶好の読書機会となっている。あとは仕事帰りにリンガーハットで4時間くらい粘って読んだりしている。

今回取り上げるのは「起業バカ」(渡辺仁著)。浦和戦の帰りに八重洲ブックセンターで数冊買い込んだ中の1冊である(右フレームの読書リストを参照)。タイトルも内容も面白いのだが、「光文社ペーパーバックス」の装丁がなかなか意欲的で素晴らしい。ジャケットと帯は「過剰包装」ということで省略されているし、「日本語表記の未来型」として文中に英語が併記されている。おもしろーい。

内容の方だが、ベンチャー支援雑誌を創刊したものの、見込み違いと様々なトラブルから潰してしまった著者が、自らの体験と取材で知り合った様々な起業失敗の事例や、起業家が陥りやすい罠(会社病、新聞病、依存病)、失敗する条件などを紹介している。

最近は官主導で「起業ブーム」が形成され、大企業の早期退職者やリストラ退職者、家庭の主婦などの起業が増えているが、ブームに乗せられた安易な起業について著者は警鐘を鳴らしている。また、(本書のような)失敗事例から学ぶことの重要性も説いている。大学の経営学で学ぶのは成功事例ばかりで、弊害があるということだ。

「団塊の世代」の大量定年退職が始まる「2007年問題」というのが懸念されているようだが、そこで大量に発生するであろう「起業バカ」(の退職金)を狙った詐欺まがいビジネスの横行が社会問題化するのではないか...と思った。官製セミナーは起業を煽ってばかりではなく、(本書のように)起業の暗黒面も積極的に取り上げるべきではないか。

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