死刑制度と「ワイルド7」
裁判員裁判で初の死刑判決が出た。裁判員になり得る一市民として、我々も死刑制度について考えざるを得ない。
僕個人としては、生命によってつみをあがなうことはできないと思うし、犯罪抑止効果も期待できないと思うし(自殺できない破滅願望者が死刑になるために犯罪を犯す可能性すらある)、EU加盟条件が死刑制度を持たないことであることなど国際的な傾向などを踏まえ、死刑制度は無くすか凍結すべきだと思う。
その代わり仮釈放がない完全な終身刑の制度を導入すべきだと思う。
僕は「ワイルド7」(著:望月三起也)という漫画が大好きなのだが、これはどうしようもない悪人を問答無用で地獄に送る、特殊警察組織が主人公だ。
いま読み返して面白いなと思うのは、テロリストや巨悪など強力な武力を持っている悪人はキッチリ射殺するが、頭脳犯的な犯罪者には「死よりも苦しい罰を与えてやる」として射殺せず、逮捕しようとしている点。
そういうシーンはコミックス全48巻中、わずか2回しかないが、「害獣としか思えない悪人は駆除」、「罪をあがなわせる場合は逮捕=長期刑」という発想が感じられて興味深い。
つまり悪人の処刑は罪をあがなわせるためではなく、市民生活を守るための「駆除」ということだ。人里に降りてきたクマと同じに。
抵抗を諦め、逮捕されることを望んだテロリストに対しては、「ひとりの悪党のために税金のむだ使いができるかよ!」「ここで殺れば墓掘り賃くらいの出費ですむ」と言い放って射殺。これは「害獣」認定されたということなのだろう。
死刑制度や罪をあがなう方法について、いろいろと考えさせる漫画だ。
2人殺害・横浜裁判員裁判 死刑選択、負う市民
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101117ddm003040067000c.html
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