ジダンに3日間の社会奉仕と罰金71万円(ニッカンスポーツ)
http://www.nikkansports.com/soccer/f-sc-tp0-20060721-63544.html
W杯決勝で起きた頭突き問題についてFIFAの裁定が下された。
頭突き攻撃をしたジダンには罰金と出場停止(引退済みのため社会奉仕活動を代用)、発端となる「口撃」(挑発行為)を行ったとされるマテラッツィには罰金と出場停止処分(ジダンより軽い)。
また、注目された「口撃」の内容には宗教・出自などの差別的内容はなかったとされたようだ。(本当か?)
最高峰の舞台で起きた衝撃的な事件だけにサッカーファン以外の注目も浴び続けてきた本件だが、1人のサッカーファンとして感想を述べておきたい。
まず、ジダンに対する退場処分と今回の処分については、妥当なものだと思う。「証言」を行った第4審がビデオでなく実際に現場を目撃したのかどうかの問題はあるようだが(現在ビデオ判定は認められていない)。
一方、マテラッツィの処分についてはいささか疑問がある。挑発行為は処分の対象になっているが「口撃」の場合、その内容を誰がどのように証明するのだろうか?
今回はジダンという世界的プレイヤーが報復行為を行ったことから、「よほどヒドイことを言われたのだろう」という憶測が生まれ、双方に事情聴取が行われた結果、侮辱発言があったことが確認された。
ジダンが普通の選手で、マテラッツィが「ユニホームを本当にくれるのか聞いただけだよ!」などとトボけた証言をしたら、マテラッツィへの処分など科せられなかったはずだ。ビデオ判定さえ取り入れていないのに、読唇術判定など使えるわけもない。
そして、「頭突き」という暴力行為が行われたからこそ、マテラッツィの挑発行為(侮辱発言)が問題になったのであって、このような暴力による報復行為がなかったら、侮辱発言問題やそれへの処分も発生しなかったと考えられる。ジダンが報復せずに審判に抗議したとしても、発言内容を証明できない以上試合中も試合後も処分を下すことは不可能なはずだ。
つまり、ジダンという偉大な選手が、暴力という報復行為を行ったからこそ、挑発行為(侮辱発言)が問題化し、マテラッツィに対する処分が下されたと考えられる。マテラッツィの行為を擁護するつもりはさらさらないが、「スッキリしない」という印象はぬぐえない。
また、試合中に侮辱発言が飛び交い、時に暴力が行使されるというサッカーの競技としての品格に対する批判、ジダンの行為の正当性についての議論もある。
品格については、ファンとしては認めたくないところだが、問題は確かに存在する。暴力については後で触れるが、侮辱発言については、証明できないからといってこれを放置することは許されないだろう。
かつてベルマーレにキム・グンチョルという韓国人プレイヤーが在籍し中心選手の1人として活躍していたが、試合中に民族的な差別発言を受けた、と何かの媒体で語っていた。いくら勝利のためとはいえ、高校MVPという肩書きを持って日本に渡ってきた20歳前後の若者(史上初の高校新卒でJリーグ入りしたプレイヤー)に対して、あまりに大人げないだろうと思う。日本人としてまったく恥ずかしい。
日本・北朝鮮の関係がギクシャクすると、国籍の南北を問わず韓国人プライヤーは何か言われることがあるらしく、今もまたその可能性は高まっていると思う。Jリーグではそれを防止するための策(まずは教育から)を導入するべきだ。
ジダンの行為についてだが、いかなる意味でも正当化できるものではない。ジダンは、謝罪はしたものの、行為については後悔していないと語っているようだが・・。世界的プレイヤーとして、この態度には非常に問題があると思う。
サッカーファンなら分かっていると思うが、彼のようにプレイと関係ないところで暴力を振るう選手はごく一部だ。試合中にそれとなくやり返すならともかく、明らかな暴力をもって反撃する選手は、特別な存在だと言っていい。
何かの拍子にこのような行為をしてしまう選手と、何が起きようとしない選手(大多数)に完全に分けられると思う。「する選手」「しない選手」の境界は明確であり、「しない選手」が「する選手」に移行することはないと僕は考えている。
ジダンには暴力行為の前科があるし、今回の事件は「彼はそっち側の選手だった」ということを世界に再確認させたに過ぎない、というのが僕の感想だ。
また、そのことを知った上で(知っているからこそ)マテラッツィは挑発を行ったとも言えるだろう。
ピッチの中で起きたことはこれだけに過ぎない。
「そっち側」の良い事例として、露鵬の「ご乱行」事件があげられると思う。
流血!露鵬、カメラマン殴り風呂場のガラス破壊(サンスポ)
http://www.sanspo.com/sports/top/sp200607/sp2006071601.html
弟の白露山の談話に注目したい。土俵下から露鵬を注視していた白露山は、これから起きる兄の暴挙を予測していたそうだ。上位者と戦う大一番はいつも以上の気合いが必要だが、兄の場合その気合いがすぐに頭の方に回ってしまう、とのことだ。
白露山は、兄が「そっち側」の人間、つまり極度の緊張感の中で理性を失ってしまうことがある人間だと理解していたわけだ。(マテラッツィと同じように)
ジダンは、W杯の決勝であり、自らの引退試合(しかも延長戦の後半)という最高度に緊張する場面で、最も悪いクセが出てしまったのではないか。そう、これは彼の人間性の問題ではなく「脳のクセ」のようなものだと思う。
所謂「キレやすい」状態と同じだったのではないだろうか?よって、ジダンの行動についてあまり深読みする必要はないと思う。
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