EGWORD,EGBRIDGE...志ある限り。
久々のMacネタが、こういう話題とは....(/_;)
パッケージソフト事業終了のお知らせ(エルゴソフト)
(EGWORDお得意の縦書きモードでメッセージを表示しているところに、同社のプライドを感じる)
比較的古参のMacユーザーコミュニティは、しばらくはこの話題で持ち切りだろう。
しかし、それは旧友の葬儀の際に久々のクラス会が自然発生するようで、何だか寂しいものだ...。
エルゴソフト社のワープロソフトEGWORDと日本語入力環境EGBRIDGEは、その24年の歴史に今、ピリオドを打った。才気に溢れるが日本語が不自由なMacに言葉を教え、ノートを与え、「Macで日本語」の環境を実現したのはこれらのソフトは、去って行ってしまった。
「美しく」「速く」「快適に」...Macにも通じる製品コンセプト。
何かモノを作り出す仕事をしている人には、こういう「道具」として優れたものを使いたがる。
自分の思考を妨げず、良い影響を与え、拡大してくれるような「道具」。
本来ソフトウェアとはこのように徹底した「道具」でなければならないのだが、優れた道具として使われることよりも、「商品」として買われること、市場を征服することを目標としたソフトウェアが圧倒的なシェアを誇っているのが現状である。
モノづくりの「志」の有無が問題なのだ。
新しいMS Office、MS Office 2008 For Macはつい最近、比較的廉価で発売された。これと入れ替わるような今回の幕引きである。
この製品、少なくともWordに関しては評判が悪く、縦書きはかなりとんでもないらしい。
それに関して私は特別な感想を持たないが、問題なのは、私も含め多くの者が「まぁ、こんなもんだろう」「最初のアップデータが出るまで待つか」と思っていること、そしてそのような状況の中でもワープロソフトで最大シェアであり続けるであろうことが、すっごく問題であるように思う。
ほとんど期待されていないのに、それが許され、シェアも獲れるとは....。
エルゴソフトのスタッフとはMacExpoやサポート電話で何度か話をしてきた。アウトライン機能の追加やインタフェイスをOSXテイストに揃えるように提言した記憶があるが、非常に真摯に聞いてくれたしそれを実装してもらえたのが嬉しい。また、得意の縦書き機能のさらなるブラッシュアップに努め、次世代バージョン(egword universal 3)の開発も進められていたという。「志」が高いのである。
かつてMacには個性派のワープロソフトやエディタ、アウトラインプロセッサ等の国産品がいくつもあり、乱立とも言えるが刺激的な雰囲気があった。原稿用紙縦書き専用の「たまづさ」、多彩な表示モードと複数ファイルのバインド化が新しかった「ORGAI」、電子辞書で調べながら書き、校正していくという文書作成スタイルを提案した「システムソフトエディタ」。
アウトラインプロセッサでは、高機能な「アイデアストーム」、ソフトウェア自体がひとつの思想を表現していた「マンダラート」。「コルクボード」や「IN CONTROL」は向こうのだったか?
アップルのCyberdogのNotebookや「クラリスワークス」も素晴らしかった。「インスピレーション」にも随分お世話になったな...。
アップルの製品がハード的にもOS的にも洗練され、以前のようにユーザーが自ら行動を起こさなくても初めからフツーに使える良い道具に進化し、ある意味で大人になった。落ち着いてきた。
そんな中、個性的なソフトウェア群は去って行き、超大手だけが残った。マックのユーザーコミュニティも以前ほど活発でない気がする。PowerBook2400(comet)で多いに盛り上がったあの頃が懐かしい。みんな本当にアツかった。
エルゴソフトの製品は、OSXの新機能の取り込みに果敢に挑戦し、Macの日本語環境を先導してきた。親会社はゲームソフトの「KOEI」だから、行く末を案じたことは一度もなく、今こうしてEGBRIDGEでブログの記事を入力し、PDF出力で済む文書作成ならEGWORDで作っている。いずれも最新版だ。
(珍品のピピンアットマーク用EGWORDも持っているぞ。ピピンは壊れているが...w)
なぜこんなことになったのだろう。親会社がPS3用のソフトに注力したツケか?
市場独占の悪影響で「志」を忘れ、ただでさえ品質の上がらない大型ワープロソフトだけになって良いのか?
egbridge Universal 2の「スマート予測変換」や入力補助のための各種パレットは便利すぎて手放せない。ATOKがここまでやるだろうか? ことえりも長足の進歩を遂げているが、違ったレベルの日本語入力環境もあるのだ。
Mac専業の国内ソフトハウスは、全て姿を消してしまうのだろうか?
Mac専門店も少なくなる中、エルゴソフトの決断は、「ひとつの文化の消失」を意味するような気がする。土方歳三の戦死が、侍という存在の死を象徴したように...。
しかーし。新選組が消滅し、明治の時代になっても斎藤一みたいに戦いをやめない者もいる。敵は変わっても士道(志)はそのままに。(フィクションの世界と少々イメージがごっちゃになってるが)
そんな中、ここに一人の漢が降臨したのである。
2ちゃんねる「新・mac板」に「中の人」こと開発リーダー神が実名降臨したのだ!
開発チームはすでに解散、自身も退職するが、何らかの形で幻の「egword universal 3」を(どんな形でかは不明だが)世に送り出したいと、戦闘続行を宣言!!
【egword】エルゴソフトのスレ 第16版【egbridge】236番
まだだ、まだ終わらんよ! 終わらせないよ!
こだわりのないソフトばかりじゃ、Macじゃない!
今回の問題、「中の人」のブログを見ても分かるとおり、Macがなぜか日本でだけ売れていないのが主原因なのである。Airとかいうこ洒落たモデルを出すなど、本体は余裕こいていて、全体的にはMacの売れ行きは伸びているというのに、なぜ我が国では...? このままでは大切な文化が....デカルチャー!
そこのあなたも、これを機にMacを購入し、この素晴らしい文化を守るために手を貸してもらえないか? 今のMacはコストパフォーマンスも高いよ!付属ソフトの(iLife08)も素晴らしい。
Microsoft Windows Mobile 6を搭載。3inchワイドVGA液晶を搭載しながら、幅50mm、薄さ17.9mmのコンパクトサイズを実現。
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